あるとき、旅人が森の中を歩いていると、池のほとりに1人の木こりがいました。
木こりは大きな斧で一心不乱に木を切っていました。旅人はなんとも働き者の木こりだと思い、感心してしばらく見ていましたが、どうも様子がおかしいことに気が付きました。木こりは絶え間なく斧を振っているのですが、その割には木はなかなか倒れません。
旅人は不思議に思い近づいて見てみると、木こりの振っている斧はひどく錆びついていて、刃先はすでにボロボロになっていました。
旅人は思わず木こりに声をかけました。「そこの木こり方。あなたが使っている斧は随分錆びていて、刃こぼれもひどいようです。一度休んで刃を研いだ方がいいんじゃありませんか?」木こりは少し拗ねたように言い返しました。「研いでいる暇なんかないんだ。私は今日中にまだまだ木を切らないといけないからね。」
木こりはまた一心不乱に斧を振り回し始めました。
ひとこと感想
効率化にはコストがかかるが、長期的に見ればコスト削減になる。当たり前のようで以外と気がつかないこと。