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駆け出しWebエンジニアのブログ

「イノベーションのジレンマ」を読んでみた

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最近読んだイノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき の内容を忘れないように要約と感想を書き起こしておこうと思います。

何について書かれている本?

「優良企業は合理的な判断を繰り返しているにも関わらず、なぜ新興企業に地位を奪われるのか」 という非常に興味深い疑問について書かれています。

なぜ読もうと思ったのか

自分のいる企業が優良企業であっても新興企業であっても、上記の疑問の答えを見つけることで、 何で勝負するべきか、どこにバイアスがあるのかを自分なりに考えるきっかけになると思ったからです。

ピックアップ

「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション

どういうこと?

イノベーションには、従来製品の改良を進める「持続的イノベーション」と、 従来製品の価値を破壊して全く新しい価値を生み出す「破壊的イノベーション」があります。

思うこと

従来製品の改良をイノベーションだと認識したことがなかったので、 全く新しい価値を生み出すことだけがイノベーションではないというのは私にとってちょっとした発見でした。

優良企業は「破壊的イノベーション」を軽視しがち

どういうこと?

優良企業は以下のような理由から「破壊的イノベーション」の価値を極めて低くみてしまいます。

  • 自社に優れた事業や技術がある
  • 市場規模が小さい
  • 市場の動向がわからない

思うこと

優良企業がなぜ「破壊的イノベーション」の価値を低く見てしまうのかは大変興味深く、さまざまなことに応用が効く考え方だと思います。

個人に当てはめてみても、自分の得意とする分野への自信が、他社を見下す原因になることが多くあると思います。 自分が何かに優れていることと、他社が優れているかどうかは本来独立して考えるべきです。

例えば、自分が英語が話せるから、英語ができない友人より優れていると考えるのは間違っています。 もちろん「英語が話せるかどうか」という観点で見れば自分の方が優れていますが、他の観点で「どちらが優れているか」を考えるとき、 「英語が話せる自分」は評価の対象にはなりません。

自分の目の前にあるものの価値を見定める時、このようなバイアスを排除してフラットに考えられるよう心がけたいと思いました。

存在しない市場は分析できない

どういうこと?

優良企業が取り組んでいる「持続的イノベーション」は既に存在する市場をターゲットにしているため、 市場分析が非常に有効で、分析によって得られた顧客や投資家などの声を元に事業や技術を改善していきます。

しかし、「破壊的イノベーション」がターゲットにする市場は多くの場合まだ存在しない市場です。 まだ存在しないものを分析しても、(今は)価値がないという結果が出るだけです。

思うこと

以前、起業家の人がベンチャーキャンタルに出資を依頼しに行った際に、「市場分析をして事業計画書を書け」と言われて困惑した話を聞いたことがあります。

聞いた当時はなんとなく事業計画書なんていらないだろうと考えてみましたが、なぜなのか深く考えていませんでした。 「破壊的イノベーション」では通用しない手法だから、というのが一つの答えだと思います。

自分たちを支える技術が、無条件でどこにでも有効だと考えてしまうのはエンジニアにありがちなことなので、 常に自分で試したり、前提や歴史背景、その技術が解決するものは何かを理解することで、本当に有効な技術なのか考える癖を付けたいと思いました。

「持続的イノベーション」は顧客のニーズを超えてしまう

どういうこと?

「持続的イノベーション」が顧客のニーズを超えてしまうと、顧客はその事業や製品へ価値を感じなくなっていきます。

思うこと

当たり前ですが、事業や技術は常に新しいわけではなく、少しずつ古くなっていきます。 そうすると以前はとても刺激的だったものが当たり前のものになり、また別の刺激が欲しくなります。

その別の刺激を作り出すためには「持続的イノベーション」だけでは限界があり、 ある時点でなんらかの破壊が必要になるのではないかと思いました。